目次
この記事は、以下の内容についてまとめています。
また、この記事は、以下のような方に向けて作っています。
副業に関して柔軟な会社も増えてきた現代。会社員として働きながら、残った時間でYoutuberや動画配信者、Instagramなどのインフルエンサー業などの副業をされている方も多いですよね。
会社員のお給料については会社が年末調整で所得税の計算をしてくれるので、「確定申告」についてあまり意識をする機会がないかもしれませんが、副業の儲けがある場合、原則、確定申告が必要となります。
そして副業をする際、その副業が「事業所得」か「雑所得」のどちらに分類されるかにより、納税額が大きく変わってしまいます。
(事業所得にして青色申告の届出をする方法が、一般的に節税効果が高いです)
この記事では、2022年10月の改正案を踏まえて、自分の副業が事業所得と雑所得のどちらにあたるのか?
より節税効果の高い事業所得&青色申告にするための流れについてご説明します!
まず最初に結論から。2022年10月 最新の改正案では、令和4年分の所得から以下のようになりました。(出典:国税庁Webサイト)
※これはまだ「改正案」のため、実際の改正後の通達は内容が異なる可能性があります。
ざっくりいえば、副業だろうと本業だろうと、記帳・帳簿書類の保存をすることで、社会通念上おおむね事業所得と言ってもよい(※)だろうということが、2022年10月改正案の所得税通達の解説に明記されました。
これにより、今までは「社会通念上事業といえるか判断してね」という曖昧な基準しかなかった事業所得かどうかの判定に、「記帳や帳簿書類の保存をする」という指標が追加され、
事業者にとっては良い改正であるといえるでしょう。
特に小~中規模のYoutuberやゲーム動画配信などの仕事は、いかに本人が本気でやっていても、理解が得られにくく、趣味の延長と捉えられやすい印象があり(あくまで私の主観です)、事業として認めてもらうには少しハードルが高かったように思います。そこに、帳簿をつけるという1ステップを踏むことで、事業として認められやすくなった。これは朗報ですね!
ちなみに、記帳・帳簿書類の保存がない場合、ほぼ雑所得です。上の表では、300万円超の場合は「社会通念で判断」とあるので事業所得となる余地はあるのですが、
どちらにせよ記帳していなければ青色申告ができないので、事業所得になっても節税メリットはあまりありません。
※事業所得と雑所得の区分について、もっと詳しく知りたい方は↓の記事をご覧ください。
(※)なお、 記帳さえすればなんでも事業所得になるわけではありません。社会通念上事業と言いにくいような場合、例えば
・収入が例年(3年程度)300万円以下かつ本業収入の10%未満の場合
・例年(3年程度)赤字で、かつ、収入を増加させるための活動をしていない場合
などは、記帳をしていても個別判断により雑所得になる可能性があります。
では、結論がわかったところで、もうちょっと深掘りしていきましょう。
先ほどからろくな説明もせず記事に書いている「青色申告」ですが、これはどのようなものでしょうか。簡単に解説します。
青色申告とは、自らのビジネスを正規の簿記の原則に従って記帳して確定申告書を作った納税者には、税制上さまざまな優遇措置をあげましょう、というものです。
特典の内容についてはこの記事では長くなるため触れません(こちらをご覧ください)が、かなりの優遇ですので、ぜひ青色申告で申告をしたいですよね。
しかし、青色申告を行うにあたってはいくつかの注意点があります。
原則として、青色申告をしたい対象の年の3月15日(たとえば、令和4年分の確定申告なら令和4年3月15日)までに、申請を出さねばなりません。
または、新規開業の場合は、新規開業日から2ヵ月以内に同様の届出が必要です。遅れたらその年は青色申告ができません。事業所得になれば自動的に青色申告になるわけではないのでご注意ください。
また、開業届と青色申告の承認申請は別物です。開業届を出した=青色申告というわけではありませんので、ご注意ください。
ここが今回の記事に関係する最も大きなポイントですね。雑所得は青色申告の特典が受けられません。
だから、副業を事業所得として申告をしようとする人が多かったわけですね。
最大控除である65万円を受けるためには、複式簿記かつe-taxによる電子申告が必要です。特に複式簿記については専門知識のカタマリであり、初めての方が行うにはハードルがかなり高いです。
最近流行の「知識がなくてもできる!」系のクラウド会計ソフトも、それを正しく設定するのに結局知識が必要という代物なので、適当にやってしまうと、出来上がったものは正規の簿記の原則に従わないものとなるケースがかなりあります。(そして、知識が無いのでそのまま正しいと思って申告してしまう…)
そんなわけで、副業Youtuberの方は開業届と青色申告承認申請を出したうえで、しっかりと記帳をしましょう。
当事務所の主要なお客様であるYoutuberや動画配信者の皆様におかれましては、少なくとも以下のものをしっかりと保管しておきましょう。
これら必要な書類を保管しておかないと、そもそも記帳ができませんので、青色申告もできません。
青色申告の記帳は専門家に投げていただくのが無難ですが、まずは資料がないと話にならないので、必ず捨てずに保管しておきましょう!
本日のまとめです。
副業であっても記帳&帳簿保管をすれば、青色申告をできるケースがかなり多くなります!
これまでの「社会通念上事業といえるか」という基準のみだと、リスク回避のために副業は雑所得にして申告するケースが多かったんですよね。
しかし今回の改正で、客観的な基準がある程度設けられたことにより、副業を事業所得として自信をもって申告できるケースが増えたと思います。
当事務所では、Youtuber、動画配信者をされる皆様を強く応援しています!
確定申告にお悩みの際は、お気軽にご相談ください!
税理士へ相談
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